Maker's shirt 鎌倉

貞末良雄のファッションコラム

健康について考えてみる


100才まで生きて論じることかもしれないが、あと25年かかる。
それでは間に合わないかもしれないので、健康に関して話してみたい。

人間の体を精密機械に例えてみれば、何千億円かけても人間技で作り出すことはできない。
想像を超える、繊細なものであると認識しておかねばならない。
たとえ、車であっても充分に手入れをして、大切に愛して使えば長持ちする。
大切に手入れをしている車を、乱暴に運転することはできないものだ。

私達は、自分の体が頑丈にできていると思い込んでしまっている。
一病息災は自分のどこかが故障しているから、安全運転して、体を労わりながら生きている。
これが、むしろ正常な体と思い込んでいる人より長く、それなりの健康体を維持して長持ちしているのであろう。

健康であっても、この精密機械に負荷をかけない様、大切にしなければならない。
壊れてしまっては、車の部品を取り替えるようなわけにはいかない。
中国のことわざに
「病気はその兆候が表われるまでの時間をかけなければ全治しない」とある。
60才で20年前からの生活習慣が原因で病魔に侵されたとすると、
完治には80才までの年月が必要となる。
この様に考えると、40才になる前に、体に負荷のかかる生活習慣を改めておかなければ、
それ以降の病気は手遅れになってしまう。

オーストラリア原住民のアボリジニ族は、平均120才まで生きると言われている。
彼らは、それより若く命を失う人々は緩慢なる自殺行為を、生活の中で繰り返しているという。

30年以上も前、世界保健機構のタバコに関する論文内に、
-タバコは人の命を縮めるもっとも危険なものであり、タバコを吸う習慣の無い人は、
人類を救う選ばれた人たちである―
という項目に強い衝撃を受けたものである。早死にしたければ、タバコを吸えば良いのである。

先輩が新聞記者と談笑していたあるパーティーで、二人は共にヘビースモーカーであった。
彼ら曰く、タバコを止めるくらいなら、死んだ方がましだ。
戦争中でも食べるものには我慢出来たが、タバコは無理だった。なんとか手配をしたものだ。

しかし、その両人は、やがて肺に欠陥がみつかり、これ以上の喫煙は命を縮めると言われ、
その日から禁煙してしまった。
命よりタバコは大切だと、豪語したのは、自分だけは大丈夫と考えていたのであろう。
残念ながら、喫煙をやめても、侵された肺は元に戻らなかった。時すでに遅かったのである。

次に体の中で傷みやすいのは歯であり、その次は目と言われている。
医食同源と言われるのは、食事と健康は本質的に同じであるという意味で、
口から入るものが、体の健康を左右すると考えなければならない。

口から入るものは、歯によって細かく砕かれ、消化を助けることになる。
従って、歯を大切にしなければならないのであるが、以外と歯を大切にしている人は少ない。
笑うにしても、話すにしても、人前に歯をさらすことになる。
健康な白くきれいな歯、または、よく手入れされ、
治療された歯並びはその人の全てを表現していると言っても過言ではない。

健康でストレスを感じない生活を望むなら、絶対に歯の治療を後回しにしてはならない。
いくら費用がかかろうと、時間が必要であっても、人生の全てが係っていると考えて、
即刻歯医者の門をたたかねばならない。

前歯の汚れ、欠け等の放置は健康だけでなく、人格の中味すら曲げて受け取られる危険性をはらんでいる。
奥歯は言うまでもない。たべものを砕く武器でもある。
永久歯は代替えがむずかしい。虫歯も極端な歯列の悪さも、将来に禍根を残す。できるだけ早期の治療が望ましい。
健康はお金を貯めるよりむつかしい。
お金は食うや食わずで貯めることもできる。
ある日突然に相続を受けたり、馬券や宝くじに当たるなど、予想外なことでも、お金を手に出来る可能性を持っている。
しかし、健康は、毎日毎日、努力して積み立てていくものである。

20年の努力も、わずか1か月の無茶苦茶な生活、ストレス過多な生活をすれば、
全てを失ってしまう。
健康とは、毎日自分と向き合い、今日の行動がよかったか、もし悪かったら、無茶をしたら、
それによって、体は傷つけられていると考えることである。
正常な日常を取り戻し、時間をかけて癒していく。その決意を持ち続けることが健康を保つ一つの方法でもある。
人間の体は、決して丈夫ではないと考えるべきである。
自分だけが例外的に丈夫ではないのである。

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メーカーズシャツ鎌倉株式会社
取締役会長 貞末 良雄

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