“アイビーのVAN”に対し、VAN卒業生にはチョッピリ英国のかおりがする
“トラッドのKent”の位置付けが明確になった。

それでも立ち上げ直後は苦戦を強いられた。スーツを中心にKentブランドが信用され、
「学生時代はVAN」、「就職試験はKent」といわれるようになるには2年かかった。

トラッドという「新語」も定着し、「I型(いちがた)」と呼ぶスタイル
(シングル3つボタン、中1つ掛け)も一般に受け入れられるようになった。

10年間在籍したVAN時代、後々まで使われる造語を4つ残した。

「ニューポート・ブレザー」(1963年)、「TAKE IVY」(65年)、
「TRAD」(66年)、そして「I型」(66年)。

石津謙介の「トレーナー」、「スイングトップ」にはかなわないが、まずまず通用する用語となった。
これらネーミングについてのエピソードは、いずれ紹介するつもり。(おわり)