「ダッフル・コート」の話をしよう。

今冬は寒い日が続いたので、外出にはダッフル・コートが大活躍した。

わたしのダッフルは古い。1972年に買ったのだから43年目になる。
実はこれVAN、KENT製でなく、英国の某メーカーのもので、色はキャメル。
なぜ、よそのメーカーのものを選んだかというと、自社製とどこがどう違うものか人体実験のつもりだった。

72年冬、スコットランドへ取材に行くことになった。
真冬のスコットランドがどれくらい寒いのか見当もつかない。
ともかく緯度は札幌より14度も高い、寒いのは苦手だが覚悟を決めた。

防寒着が本気で必要になった。
そこで考えついた、英国製のダッフルなら母国の冬に通用するに違いあるまい。
いい機会だからダッフルの機能についてモニターをしてやろう。

スコットランドの北端インバーネス空港に降り立ったのは72年3月1日のことだった。(つづく)