デイヴィス役を演じた俳優をわたしは知らなかったが、尊大な雰囲気は出ていたし、しわがれ声も似ていた。

ベイカーはこてんぱんにやっつけられる、気の毒なくらい。それで彼はやる気になり、見返してやろうと腕を磨く、よくあるお話。

一方、デイヴィスの映画は「マイルス・アヘッド」(ドン・チードル監督・主演)。彼が体調不良でドラッグとアルコールに溺れた1970年代後半が舞台。音楽活動を復活させようとする周囲の人たちとのいざこざストーリー。

このテの伝記映画の難点は、ホンモノと顔が違うと、感情移入できないこと。主演がなり切ろうと頑張れば頑張るほど見ている方は白けてしまう。いっそ「グレン・ミラー物語」のように昔亡くなったミュージシャンだと違和感はない。

2作品共に音楽は最高!ホンモノが流れるのだから、ファンにはたまらないプレゼントだった。

(おわり)

170303