麻服というと白麻のスーツが頭に浮かぶ。戦前の日本男子は頑張って麻のスリーピースを着た。いくら麻が通気性に優れているといっても、真夏に三つ揃いでネクタイを締めていたのだから頭が下がる。しかもいまみたいに冷房などない時代、「気力」で暑さを吹き飛ばしていた。「心頭を滅却(めっきゃく)すれば火もまた涼し」などとうそぶき、「根性」で夏を過ごした。

それに比べれば21世紀のいまは根性で服を着る必要はなくなった。着て心地よいモノを誰に遠慮することなく身に付けられる。ところで麻のジャケットをつくった。もちろん3つボタン、上2つ掛け、センター・フックベント、例のモデル。100%リネンの「ブラック・ウォッチ」という伝統的チェックが手に入ったので、自分用のほかにほんの少し仕立ててもらった。白い貝ボタンが粋なサマー・ジャケットを、2017年SS「あいびい・あーかいぶす」として加えることにした。

(つづく)