日本の繊維製品の国内縫製比率は2.7%を下回る現状です。
約40億枚の流通量の内、約1億枚である。
海外製品の流入は39億枚、しかしながら正規で販売されるのは60%、23億枚強、16億枚がセール又はアウトレットで販売されていると考えられます。
正規販売で60%正規消化であれば、会社が利益を出そうとすれば小売価格の15%から20%の原価率が求められます。
こう考えると国内で商品を作ることは、難しくなります。
海外比率が高くなり、低い賃金の国を求めて工場探しが始まり、工場建設が、2000年ころから主流になっています。
このことが一時的に会社の延命につながりますが、大量に注文する、シーズンの9ヶ月~1年前から注文しなければなりません。
マーケットの変化・消費動向の変化が予測されても、注文が大前提で物づくりが先行して行われます。
見込み違いをして正規で50%又は40%しか売れなくてもなんとか利益を出すためには、出来るだけ原価の低い事が最重要です。
低価格低原価に拍車がかかり、15%・20%が当たり前になります。
そうなるとこの価格でこの品質、価値観が感じられない、やがて消費者からNOを突き付けられます。
これが現状の一端であることは間違いない事実です。

例えば、弊社のマンハッタンモデル、5,900円を海外平均原価率で作ったとしたら、15%で885円 20%で1,180円です。
私たちはメイド・イン・ジャパンで、工場様には縫製代金を1,450円支払っています、これは市場価格の25%になります。
それに生地代金、付属品包装費、運賃が加算されます。

また、高級な生地を使用しています。
ボタンも天然の貝、プラスチックの10倍です。
それでも、正規販売率が99%であるので、海外輸入価格で原価を抑えなくてもなんとか生き延びていけます。
売れ残りを“捨て値販売”する、等の無駄を排除し、さらにお客様に価値ある商品をご提供する事ができます。
勿論一切の無駄を排除して、私たちの会社はローコスト経営に徹しています。
現金決済と少数精鋭主義を貫いています。

このように国内生産であっても、経営が可能であることを創業25年存続をもって証明してきました。
ローコスト経営・正規商品消化率・最短距離物流・品質の確保など、国産の優位を証明してきました。
しかしながら、1993年の創業以来、国産比率は激減の一途です。
日本の物づくり、お家芸と言われる精緻な技、これを守るためには、生活者の皆様と一緒に、より情緒豊かな、文化性のある、生活スタイル、服を通じた自己実現を目指し、質の高い人生を、一度しかない人生を豊かなものにしたいものです。

更に言えば 人は良いものに触れて、成長する、良い物の力で、その人は新しい次元に導かれるのです。
これは理屈ではなく体が感じ取るのです。
「百見は一触にしかず」とカンブリア宮殿で申し上げた事なのです。