「クレリック・シャツ」とわが国で呼ぶシャツの正しい呼び名は別にある。
そう、スエットシャツをトレーナーと呼ぶのと一緒、和製造語。
1960年代にはこの名で通っていた、誰が名付け親なのかは不明、石津謙介ではないことは確か。

「CLERIC=牧師・聖職者」の意だが、牧師の白い立ち襟をヒントにしたものと思われる。
では、本場英国ではなんと呼ぶか「COLLAR DIFFERENT(カラー・ディファレント)」だ。
このテのシャツは結婚式で新郎が着用することが多く、フォーマルなシャツとして位置付けられている。

なので、襟型は「カッタウェイ」、ワイドスプレッドが多い。間違ってもボタンダウンはない。
なぜならBDはスポーティな襟型だからだ。舛添知事はこともあろうにBDのクレリックを謝罪服に合わせた。

「おめでた」「スポーツ」向けのシャツを、一番着てはいけない場面で着るという、
重大なミスを彼は犯してしまった。

(おわり)

cleric