Maker's shirt 鎌倉

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くろすとしゆきオフィシャルブログ

161:下北沢にある生地店


ギンガム・チェックの魅力にとりつかれたわたしは、ガールフレンドに教えてもらった下北沢(世田谷区)にある「コットン」という名の生地店へ通うことになる。

小さな店だが棚いっぱいおしゃれで、しかも安い反物が積んであって、まるで外国へ行った気分になれた。といっても外国など知らないのだから、想像上のアメリカである。

その店で一番目立っていたのは色とりどりのギンガム・チェックだった。赤と白のチェックだけでも大きいものから小さなものまで数種揃っていた。中で一番カッコいいのはどれくらいのサイズのチェックなのか学習を試みるのだが、目移りして分からなかった。

店はいつも若い女性でいっぱい。男はわたし1人だったが、ギンガム・チェックに目がくらんでいたので恥ずかしさも忘れて通うのだった。ボンヤリ眺めているだけのアメリカかぶれの青年くろすとしゆきが、ギンガム・チェックを買う決心をする日がやってきた。

(つづく)

160:ギンガムという木綿地


「懐かしの服地 ギンガム」
おしゃれに目覚めた1950年代半ば、それまで気付かなかった周辺がにわかに華やかに見えてきた。それに比べてわが身なりのなんとやぼったいことか、自己嫌悪に陥った。

そのころ、おしゃれな女子は申し合わせたように「SEVENTEEN」誌を抱えていた。米国の大判女性誌で、持っているだけでカッコよかった。いまのように既製服がない時代、彼女たちの服はオーダーメ―ド。しゃれた服地を探して「お仕立うけたまわります」と看板のある街の小さなドレスメーカーで仕立ててもらうのが普通。器用な子は自分でミシンを踏んだ。型紙はあちこちで売っていた。

おしゃれなお嬢様たちが好んだのは、ギンガム・チェックのシャツドレス。わたしが最初に覚えた生地の名はギンガムという木綿地。赤と白、黄と白、ブルーと白などの格子柄は、まぶしいほどアメリカして見えた。

(つづく)

159:2作品ともに音楽は最高!


デイヴィス役を演じた俳優をわたしは知らなかったが、尊大な雰囲気は出ていたし、しわがれ声も似ていた。

ベイカーはこてんぱんにやっつけられる、気の毒なくらい。それで彼はやる気になり、見返してやろうと腕を磨く、よくあるお話。

一方、デイヴィスの映画は「マイルス・アヘッド」(ドン・チードル監督・主演)。彼が体調不良でドラッグとアルコールに溺れた1970年代後半が舞台。音楽活動を復活させようとする周囲の人たちとのいざこざストーリー。

このテの伝記映画の難点は、ホンモノと顔が違うと、感情移入できないこと。主演がなり切ろうと頑張れば頑張るほど見ている方は白けてしまう。いっそ「グレン・ミラー物語」のように昔亡くなったミュージシャンだと違和感はない。

2作品共に音楽は最高!ホンモノが流れるのだから、ファンにはたまらないプレゼントだった。

(おわり)

170303

158:ジャズの映画2本


昨年暮れから今年にかけて珍しくジャズの映画が公開された。それも2本もだ。

長年のジャズファンとしては見逃す訳にはゆかない。先に公開されたのは白人トランペッター、チェット・ベイカーのドラッグまみれの半生の映画化。続いたのは黒人トランぺッター、マイルス・デイヴィス。

共に亡くなった伝説的なジャズミュージシャン。アメリカのイーストコーストで帝王といわれたマイルス・デイヴィスと、ウエストコーストのプリンス、チェット・ベイカー。ライバルという間柄ではないが、お互いに気になる存在だった。

面白かったのはベイカーの「ブルーに生まれついて」(ロバート・バドロー監督、イーサン・ホーク主演)の中で2人が顔を合わせるシーンが出てくるところ。ベイカーがニューヨークのライブハウスに出演が決まり、勇んで乗り込んでゆく。デイヴィスがそれを知り、会場に現れる、怖い顔をして…。

(つづく)

170224
ソニーピクチャーズポニーキャニオン

157:不思議な「裏ワザ」服


当日のテリーは正攻法ではなく、意表を付く作戦で現れた。

黒いジャケットだが、両袖だけが違う。クリーム色地にグレーのストライプが入っている。そばに寄ってみると、古いテーラーが背広の袖裏に使った「縞スレーキ」ではないか。首をひねっていると、テリーが種明かしをしてくれた。モーニング・コートをくるっと裏返して着ているのだった。まさに「裏ワザ」。

不思議な服だった。裏返して着るはずがないと思い込んでいるわたしは、まんまとテリーの術中に陥り、降参した。笑いながら「面白いでしょう、まともなカッコじゃ勝ち目がないから…」という。相手を驚かそうと着る服に工夫を凝らす、素敵なことだ。テリーは本当に服が好き、一見、無茶をしているように見えるが、彼は服を愛している。

この対談「へイルメリーマガジン」最新号に掲載されている。

(おわり)

170217

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