Maker's shirt 鎌倉

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くろすとしゆきオフィシャルブログ

158:ジャズの映画2本


昨年暮れから今年にかけて珍しくジャズの映画が公開された。それも2本もだ。

長年のジャズファンとしては見逃す訳にはゆかない。先に公開されたのは白人トランペッター、チェット・ベイカーのドラッグまみれの半生の映画化。続いたのは黒人トランぺッター、マイルス・デイヴィス。

共に亡くなった伝説的なジャズミュージシャン。アメリカのイーストコーストで帝王といわれたマイルス・デイヴィスと、ウエストコーストのプリンス、チェット・ベイカー。ライバルという間柄ではないが、お互いに気になる存在だった。

面白かったのはベイカーの「ブルーに生まれついて」(ロバート・バドロー監督、イーサン・ホーク主演)の中で2人が顔を合わせるシーンが出てくるところ。ベイカーがニューヨークのライブハウスに出演が決まり、勇んで乗り込んでゆく。デイヴィスがそれを知り、会場に現れる、怖い顔をして…。

(つづく)

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ソニーピクチャーズポニーキャニオン

157:不思議な「裏ワザ」服


当日のテリーは正攻法ではなく、意表を付く作戦で現れた。

黒いジャケットだが、両袖だけが違う。クリーム色地にグレーのストライプが入っている。そばに寄ってみると、古いテーラーが背広の袖裏に使った「縞スレーキ」ではないか。首をひねっていると、テリーが種明かしをしてくれた。モーニング・コートをくるっと裏返して着ているのだった。まさに「裏ワザ」。

不思議な服だった。裏返して着るはずがないと思い込んでいるわたしは、まんまとテリーの術中に陥り、降参した。笑いながら「面白いでしょう、まともなカッコじゃ勝ち目がないから…」という。相手を驚かそうと着る服に工夫を凝らす、素敵なことだ。テリーは本当に服が好き、一見、無茶をしているように見えるが、彼は服を愛している。

この対談「へイルメリーマガジン」最新号に掲載されている。

(おわり)

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156:テリー伊藤との雑誌対談


久しぶりにテリー伊藤に会った。雑誌「へイル メリー マガジン」の対談である。

テリーに会う日はワクワクする。どんなカッコで現れるか想像するのが楽しいからだ。

この前会った時は黒のスーツ姿だったが、テリーが着るのだからフツーではない。服全体に白貝ボタンがスパンコールのように縫い付けられた、感動的なスーツだった。

今回は何を着てくるのか、いくら頭を働かせても思いつかない。それくらい彼のコーディネートは一筋縄ではゆかない。

テリーに負けないようなどんなカッコで出演するか。思えば、何を着るかで頭を悩ませることなど近頃ない。ということは、普段会う人でそれほど気を遣う人がいなかった証拠だ。オーセンティックなアイビー・スタイルに決めた。グレー・ツイードのジャケット、同色のコーデュロイ・パンツ、チェックのネルシャツに黒のニットタイ。靴はグレー・キャンバス製デッキモカシンというコーディネーション。

(つづく)

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  ©株式会社ヘイルメリーカンパニー

155:コートのインバネス


ディアストーカーと共に、シャーロック・ホームズのトレードマーク化されているインバネスだが、この外套も帽子以上に珍しい。

ホームズが着ているインバネスは、オーバーコートの上に短いマントが重なっていると思えばいい。極冬の地で生まれた19世紀の防寒コート。

インバネスとは、スコットランド北西部高地インバネス州の首都名で、ネス河畔の海港。ネス河はあの「ネッシー」が住むというネス湖から流れる。40年以上も前に訪ねたことがあるが、ネッシーにもインバネスにも出合えなかった。

ところで、コートのインバネスは、袖のあるモデルと、袖なしとがある。明治時代に袖なしは日本に伝わり、当時、男性の主流だった和服用コートとして大流行した。「二重回し」「とんび」と呼ばれた。とんびとは、鳥のトビが翼を広げた形に後ろ姿が似ているところから付いた愛称。黒ラシャ製が主で、ツイードなんてしゃれたものはない。

(おわり)

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154:古風な鳥打帽


シャーロック・ホームズのおかげですっかり有名になったディアストーカーだが、帽子にしては妙な名前だ。

英和辞典をのぞいてみよう。
ストーカーは「こっそり(獲物・人の)跡をつける。…に忍び寄る」で、ディアストーカーは「(こっそり忍び寄ってしとめる)シカ猟師」。ストーカーというと、今ではシカではなく人間に対して行われるストーカー行為を指すようになった。困ったものだ。

そして、ディアストーカーには「古風な鳥打帽」の訳がある。本来はシカ猟の時にかぶるハンティング・キャップ(鳥打帽)の一種だったのだろう。わざわざ「古風な」としてあるところを見ると、この帽子は多分19世紀で終わりを告げた、オールドファッションだったのだ。

古臭いカタチが面白くて愛用するマニアックな一部ファン以外、この帽子をかぶる人はあまりいない。だが、同時代のシルクハットはいまもなお生きている、限られた礼装用として。

(つづく)

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