Maker's shirt 鎌倉

Maker's shirt 鎌倉

くろすとしゆきオフィシャルブログ

296:かさばるキャリー・ケース


「平成の困ったファッション」その4。

「令和」の御世になって思うこと。平成はファッション業界にとって、いいニュースなどひとつもなかった、困ったことばかり。忘れないうちに書き残しておく。

「フェイク・ボタンダウン」「サイドファスナー付きシューズ」「シャツの裾」に次いで書いておきたいのは「キャリー・ケース」。

キャリー・ケースのなにが困るかというと、例外なく「かさばる」ことだ。新幹線ホームが混雑する元凶はキャリー・ケースにある。こいつはハードケースなので、いたずらに場所をとる。

昭和のスーツケースは、大きくなれば重くなるのが当たり前。手に持ったことを考え、内身を最小限におさえて小さ目のスーツケースかボストンバッグで我慢した。ところが、キャスターが付いたおかげで、女性でも大きなカバンを楽々と引っ張れるよき時代になった。

キャリー・ケースはますます大型化、旅支度は変わった。

(つづく)

295:ストライプ・タイの向き


ところで、この1年間にネクタイを何回締めただろうか。

数える程しかしなくなった。ネクタイする以前、スーツを着る機会がめったにない。葬儀くらいなもの。となるとネクタイは黒無地。本来はレップだろうが、わたしは黒のニット・タイでごまかしている。それも1960年代に買ったシルク製。

年間通して使うタイは、黒ニットのほか2~3本のストライプ。それ以外のチェックやプリントは出番がなくなった。

お気に入りのストライプ・タイは、太い縞と細い縞で、服によって使い分ける。また、ストライプの「向き」には左下がり、片仮名の「ノ」の字と、逆ノの字の2種あるのはご存知の通り。ノの字は英国調、逆は米国調といわれるが、たまに反対もある。

アイビーには逆ノの字で「ねばならぬ」と、昔は思い込んでいたが、最近はテキトー。服とのバランスで英米使い分けている。

(おわり)

294:ネクタイの結び方


学生時代、1950年代後半、人一倍ファッションに興味はあったが、正しい知識はゼロに近い。

例えば、背広でいえば若いうちは青、年を取ったら茶色を着るべしと言われていた。

ネクタイに関しても若者は大きく結び、年寄りは小さく結ぶのが正しいと信じられ、実行されていた。とんでもない「ガセねた」だが、疑う人はいなかった。

初めてネクタイを結んだ日、ネクタイの鉄則を兄から教えられた。大きく結ぶやり方――あれはウインザー・ノットだったのだろう――を、鏡の前にネクタイと格闘した事を思い出した。

ネクタイの結び方には3種類あることを学んだのは、ずっと後のこと。そして、ネクタイの結び方は年齢ではなく、ドレスシャツの襟型によって変えることも……。

ボタンダウン・シャツにネクタイはプレーン・ノットで結ば「ねばならぬ」と知ったのはそのまた後、BDにウインザー・ノットという恥知らずをやっていた。

(つづく)

293:ネクタイの日


長い間洋服屋やっていて知らなかった。10月1日は「ネクタイの日」だったとは。

知らなかったで済まされることではない。反省……。

なぜ10月1日なのか。日本人で初めてネクタイを使ったとされるのはジョン万次郎。国産ネクタイは1884(明治17)年10月、帽子商の小山梅吉が東京・日本橋で出回っていた舶来(外国からの輸入品)のネクタイを見よう見まねでつくったのが始まりとされる。この出来事にちなみ、1971(昭和46)年「ネクタイの日」ができた。

さて、ネクタイの日だからネクタイを買おうと思う人がどれほどいるだろう。ネクタイ業界には申し訳ないがわたしはここ数年、ネクタイを購入した覚えがない。わたしだけでなく、男性、特にビジネスマンにとってのネクタイの存在価値は低下している。それというのも、クールビズの影響で、ノーネクタイが当たり前になったからだ。人は楽な方へ流れる。

(つづく)

292:丈の短いシャツ


シャツの裾をズボンの外に出す着こなしは、いまや何の抵抗もない。やる方も見る方もだ。

ま、これは時の流れ、いたしかたあるまい。ひとつ困るのは、シャツをアウターで着るようになると、シャツの着丈が短くなること。バランスを考えると、従来のシャツ着丈では長すぎる、ジャケット並みの方が美しい。シャツの着丈はどんどん短くなった。

わたしのような、シャツの裾はズボンの中へ入れなければならない派にとって、丈の短いシャツは落ち着かない。ちょっとした動作で裾がはみ出るからだ。

昭和のドレス・シャツの着丈はたっぷりあった。上等なシャツほど長かったものだ。そもそも西欧でのドレス・シャツ初期、男どもは下着のパンツをはかなかった……というよりもパンツはまだ無かった。シャツの裾を股の下へ回して着たのだ。

いま、そこまで長さの必要はないが、やっぱり長い方が年寄りは安心する。

(おわり)

  • Facebook
  • Hatena
  • twitter
  • Google+
2019年10月
« 9月    
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  

アーカイブ

PAGETOP