Maker's shirt 鎌倉

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くろすとしゆきオフィシャルブログ

239:ソウルの「日傘ポリス」


「自分が思っているほど注目されていない」。とは、周囲の目が気になって気になってしようがない男性諸氏へのわたしからのアドバイス。日傘に限らず、ジャケットの丈が短い長い、パンツが細い太いなど、本人が死ぬほど気になっても、隣りの人はまったく気にもとめないものだ。

ところで、この人たちは恥ずかしいのだろうか。お隣り韓国でも今夏は「暴炎(ポギョム)」と呼ばれる猛暑が続く。ソウルで、炎天下でデモや在外公館の警備をしている警察官に、熱中症予防のための日傘が配布されたというニュース。
 
ソウルは8月1日、観測史上の最高気温を110年ぶりに更新する39.6度を記録。制服姿の「日傘男子」に、市民の受け止めも好意的だったという。

わたしは韓国警察を見直した。日傘を配るなんて、優しくてセンスある行為。日本では絶対に「日傘ポリス」などありえない。

(おわり)

238:わが「日傘男子」デビューの日


わたしが日傘を思いつき、さす気になったのは、10年ほど前の夏の暑い日。前日に聞いた落語のCDがヒントになった。

その日も朝からの猛暑。パナマ帽をかぶって一歩外へ出た、日差しの強烈さに目がくらんだ。そうだ、日傘にチャレンジするには絶好の機会、家に戻り傘を取り出した。

といっても、日傘ではない、フツーの雨傘。紫外線カットなど、機能は未知数だが、とりあえず日よけになればいいとの思いつきだ。

とはいえ、黒の雨傘では見た目にも暑苦しい。1本ある柄物なら日傘といえば通用しそうに思えた。ブラック・ウォッチチェックの雨傘を広げてみた。カッコいい! これで決まりだ。

わたしには、世の男性諸氏が抱いている「気恥ずかしい」感覚が欠落したのか、退化したのか、ともかく平気。ジロジロ見られたに違いないが、恥ずかしいどころか、自慢したいくらい。わが「日傘男子」デビューの日。

(つづく)

237:戦前は旦那衆の自慢の持ち物


平成男子は日傘が恥ずかしいという。戦前――大正、昭和の男性にとっての日傘はステータス、憧れの的だったことを知っている人は少なくなった。

落語「船徳」に日傘を差す旦那が登場する。「四万六千日(しまんろくせんにち)」(7月10日ごろ)に、柳橋(台東区)の船宿から船を仕立てて浅草へ遊びに行こうというストーリー。こんなぜいたくな遊びができる旦那衆の持ち物が日傘。

また、「うなぎの幇間(たいこ)」にも日傘が出てくる。これも金持ちの旦那のアクセサリーとしてだ。これで分かるように、戦前の男の日傘がいまと大きく違うのは、熱中症予防のための実用品ではなく、旦那衆の自慢の持ち物だった点。

当時の日傘は決まっていた。色は表がベージュ、裏がグリーン。「絹紬(けんちゅう)」というシルク製。8本骨の大ぶりな傘だった。いまでいうセレブのお遊び用といったところ。

(つづく)

236:男の日傘は定着するか


「日傘男子 今年こそ晴れて定着?」 ?マーク付き新聞見出しに目が留った。

「日差しを遮る有効な手段の一つとして、改めて日傘に注目が集まっている。これまで男性にはなかなか広がらなかったが、今年こそ『男の日傘』は定着するのか」(朝日新聞)

いわれるまでもない。今夏は猛暑続き「命にかかわる危険な暑さ」とまでいわれたら、暑さ対策を考えずにはいられない。環境省が推奨する暑さ対策に「日傘や帽子を使う」「襟元をゆるめて風を通す」などがあるが、お上が日傘を薦めるくらいだ、今年の夏は命にかかわる。

日傘を差すと、頭から胸にかけて日陰ができ、頭上からの熱が引いていく。上着を脱いで日傘を差すと発汗量が20%抑えられるという環境省の調査結果もある。にもかかわらず日傘を差す男性が少ないのはなぜ?

「気恥ずかしい」「男らしくない」など、間違った思い込みが世の男性諸氏に根強く存在する。

(つづく)

235:上品より機能優先に…


20世紀初め、「最も上品なスポーツ」と呼ばれたのがテニスだった。

ウエアにも「縛り」があり、上から下まで白1色でなければならなかった。男性はオックスフォードかブロード地の長袖シャツ。多くのプレーヤーは袖を肘の上までまくり上げて着た。パンツは白またはクリーム色のフランネル製で、裾には折り返しをつけた。

エレガントなスポーツ・ウエアが、機能的になったのは1920年代後半。袖まくりするくらいなら、はなから半袖に。フットワークを考えるなら長ズボンより半ズボン。こうして機能優先ウエアはアッという間に上品なスポーツを過去の遺物に追いやってしまった。

「白でなければ」のお約束も、ポロシャツの襟に入ったラインの色から始まり、いつの間にか「昔は白だったんだって?」といわれるくらいカラフルに進化?した。

保守派のわたしがウィンブルドンを見るとホッとするのは、このような理由からなのだ。

(おわり)

Bundesarchiv Bild 102-10190, Wimbledon, Tennisturnier
出典:Wikimedia

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