Maker's shirt 鎌倉

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くろすとしゆきオフィシャルブログ

275:英国製靴下


1960年代初め、アーガイル・ソックスのほとんどは英国からの輸入物だった。B社製が多く、素材は100%ウール。

初めて買ったアーガイル・ソックスは、ネイビー地にブルーと赤のダイヤ柄が織り込まれていた。無理をして手に入れたのだが、洗濯するたびに縮み、ついには子どもの靴下みたいになってしまった。

60年代後半、アーガイル・ソックスもアイビー・ワードローブの一環としてリストアップされたが、VANはつくっていなかった。というより、あのテの柄物を編めるメーカーを知らなかったからだ。当時、VANの靴下といえば、膝下までのロング・ソックス(正しくはHOSE)で、色はブラック、ネイビー、ダーク・グリーンの3色だけしかつくらなかった。

アーガイル・ソックスを近頃目にしなくなった。服装が軽くなり、伝統の重さの残る英国製靴下はいまの服にマッチしなくなった。

(おわり)

274:アーガイル・ソックス


久しぶりに「アーガイル・ソックス」を見た気がした。それも上皇さまがお召しになっているお写真を見て、うれしくなった。

アーガイルが日本ではやったのは、1960年代後半。皇太子のお写真は69年、なんとトレンドを取り入れていらっしゃる。

アーガイルはスコットランド生まれのダイヤ柄。30年代にアメリカで大流行する。折からの英国風の流行にのって英国から輸入され、爆発的に売れたとされる。40年代に入ると一般化され、特にツイードの服とコーディネートするよう説明が付く。

日本でのアーカイルは、戦前からおしゃれな紳士の間では知られていたようだが、ごく一部のしゃれ者のものだったと聞く。

わたしがこのソックスを知ったのは50年代、「男子専科」だった。カッコいいソックスと思ったが、学生には手の届かぬ世界のモノとあきらめていた。初めて履いたのは60年代に入ってからで、とてつもなく高い買物だった。

(つづく)

273:皇太子のウィングチップ


 4月10日、結婚60年記念日を迎えられた上皇ご夫妻。新聞各紙は60年間の写真入り特集ページを組んだ。中で目を引いたのは東京新聞、1969年、結婚10年目の皇太子時代のご夫妻の軽井沢でのスナップを掲載。紀宮さまを抱かれる浩宮(陛下)さま、礼宮(秋篠宮)さまとらと、にこやかに過ごされる皇太子(上皇)さま。

 夏の軽井沢とあって、リゾートファッションでくつろがれるいいお写真。サマー・ジャケット(シングル2つボタン)に、明るい色のパンツ、裾は折り返し付き。パンツの裾口からのぞくのは英国生まれの「アーガイル・ソックス」。

 コーディネートする靴は、ウィングチップ。わたしは皇太子、天皇を通じてウィングチップ・シューズをお召しになったお写真を初めて拝見した。靴はストレート・チップかプレーン・トウ以外はお召しにならないものと、勝手に決め込んでいたのだ。

(つづく)


出典:http://www.otsuka-shoe.com/

272:西欧では「タウン・スーツ」


わたしはVAN、KENTを通じ、グレン・プラッドを取り上げた記憶がない。

KENTを担当していた時(1966~70)に、本当はやりたかった。当時、KENTのスーツは評判がよく、ブランドの中心商品だった。定番のチャコール・グレイのスーツの間に、白黒のチェックが加わったらさぞカッコいいだろう、と思ったが、取り上げる勇気がなかった。

ためらいは、グレン・プラッド・スーツを着て行く場所がないと気付いたから。あのテのスーツを西欧では「タウン・スーツ」と呼び、平日の昼間、街をぶらつく時の服装とされる。例えば、フレッド・アステアが鼻歌まじりで街を歩く服……。そんなしゃれた男が日本にいる? 街がある?

80年ごろ、新生KENTの商品構成にグレン・プラッド・スーツがあったと聞いた。誰に着せるつもりだろう、わたしにはあの伝統柄を着こなす自信はない。いまだに……。

(おわり)

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271:フェイク・グレン・プラッド


「グレン・アーカート(アーカート峡谷)」、英国式だと「グレナカート」と呼ばれる柄は、見るほどに完成度が高い。他のタータンも同様、1ミリたりとも動かすことができないバランスが見事。

わが国では「グレン・チェック」「グレン・プレイド」「グレン・プラッド」などと呼ばれるが、チェックは小柄な格子、プレイドはスコットランド語、プラッドが英語。

そのグレン・プラッド、わが国の女性ファッションで流行した年があったが、本来この柄は紳士用。しかも上下揃い、スーツで着るべきものとされている。ということは、この柄のパンツやジャケットは邪道。この事が頭にあったので、わがサマー・ジャケットにグレン・プラッドは使いたくない、いや、使えない。ちょっと外したグレン・プラッドもどき、フェイク・グレン・プラッドをセレクト。 

モデルはオーセンティック・アイビー・モデル。着こなしはシンプルにモノトーンでまとめたい。ちょっとおしゃれなカジュアル・ジャケットの出来上がり。

(つづく)

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