Maker's shirt 鎌倉

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くろすとしゆきオフィシャルブログ

282:1877年当時のカレーの値段


英国式カレーを手本にした日本では、カレーの調理法が紹介された5年後の、1877(明治10)年には、東京の「凮月堂」で1皿8銭で売り出したとの記録が残る。

さて、当時の8銭が高いのか安かったのか見当がつかない。何か手がかりになる物の値段はないものか。
 見つけた。明治10年の「そばの値段」だ。「そば(もり・かけ)8厘」と出ている。厘とは貨幣の単位で、円の1000分の1、銭の10分の1を表すが、わたしは厘を知らない。

そば8厘時代にカレーは10倍もする高級西洋料理だった。令和元年、そば屋の「もり・かけ」700円とすると、142年前、カレーは7000円もしたことに。高い!

現在、安いカレーショップだったら700円で食える、なんとありがたい時代になったことか。カレーが日本の国民食となった裏には100年以上にわたるたゆまぬ努力があったことを忘れてはならない。カレーよ、ありがとう。

(おわり)

281:日本でのカレーの誕生


カレーの話に戻す。

記録上、最初に日本でカレーの調理法が紹介されたのは1872(明治5)年、文明開化で西洋化の波が押し寄せる中、相次いで出版された「西洋料理指南」「西洋料理通」に作り方がある。横浜の外国人居留地に暮らした英国人のメモを翻訳したもの。

どんなカレーだったのか? 使う野菜は長ネギだけ。明治の初めごろ、タマネギは日本では広く普及していなかった。「西洋料理指南」では、薬味のショウガやニンニクと一緒にバターで炒め、水を加えて鶏、カエル、海鮮などとの具を投入。輸入のカレー粉や小麦粉も入れて煮込むとする。

カエル・カレーが本格的とは思えないが、当時のイングリッシュ・ジェントルマンはこんなモノを食っていたのだ。

元々、カレーの本場はインドとその周辺。18世紀、英国人がインドから母国に持ち帰り、小麦粉を入れ、欧風カレーになったとされる。

(つづく)

280:なぜ日本人はカレーが好きか


なぜ日本人はカレーが好きか? たまには衣食住の「食」について考える。

ある調査によると、1週間に1度はカレーを食べると答えた人が圧倒的だった。皆さんそんなに好きなんだ…。

わたしは1週間どころか、1年間に2~3回しか食べない。だからカレー嫌いかというとそうではない。たまに食うカレーはうまいと思うが、毎週、食いたいとは思わない。世間では珍しい人間になるのだろうか。

そもそも、カレーに興味がなかった訳ではない。学生時代、昼食は学食か近くのカレー屋でよくカレーを食った。別にうまいとは思わなかったが、安く空腹を満たすにはカレーかラーメンだった。というより、これ以外の選択肢は当時(1950年代後半)なかった。 

その反動でカレーを食わなくなったのではない。米のメシに執着心がない。カレーはご飯をおいしくいっぱい食べるのに向いている料理。わが家は米を週に1回程度しか食わない。

(つづく)

279:劇的に変わった平成のBD


平成シャツの乱のトップを切ったのはボタンダウン(BD)。

ノーネクタイでも「サマ」になるシャツと、誰かさんが言ったおかげで、それまでは一部のマニアの間でしか評価されてこなかったBDにスポットが当る。確かにワイドスプレッドよりBDの方が第一ボタンを外した時の襟元のバランスは良い……ように見える気がしないでもない。

BDはわが国で約50年の歴史があるが、変化らしい変化は見られなかった。せいぜい襟の長さが長くなった、短くなった程度。平成のBDは劇的に変わる。襟腰が高くなり、第一ボタンが2つも3つも付いたのが華々しくデビューした。BDの襟腰は他のシャツより低くつくるものだが……困ったことだ。

いまひとつ困ったのはカラー・ボタン。黒が多いようだが、色ボタンの付いたBDは気持ち悪い。ボタンばかりが悪目立ちする。シャツのボタンは白貝ボタンに限る!

(おわり)

278:フェイク・ボタンダウン


「平成の困ったファッション」その1。

「令和」の御代になって思うこと。平成はファッション業界にとって、いいニュースなどひとつもなかった、困ったことばかり。忘れないうちに書き残しておく。

まず頭に浮かぶのは「フェイク・ボタンダウン」。クールビズのおかげ?せい? シャツに注目が集まった。ノーネクタイでおとがめなし! サラリーマンは大喜びで受け入れた。喜んでいられなかったのはネクタイ業界。ただでさえ夏場には売上げが落ちるというのに、ノーネクタイにお上がお墨付きを出したのだから追い打ちをかけた。

一方、シャツ業界は鼻息荒い。いっきにシャツのシェアを広げんものと、あのテ、このテでシャツの売り込みに……。

ファッション業界の一員として、この現象を優しく見守っていた。ところがだ、どこを勘違いしたのか小細工をしたシャツがドッと出回った。平成シャツの乱の始まり。

(つづく)

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