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くろすとしゆきオフィシャルブログ

248:グレイのイメージ


グレイという色は、どんな印象を与えるのだろう。

「鼠色=(白黒がはっきりしないところから)所属・主張・態度のあいまいなこと」(広辞苑)
「GRAY」は「GREY」ともつづられる。英国ではGRAY、米国ではGREYが多いようだが、ここでは英国式にGRAYに統一する。

「GRAY=(灰色以外に)しらがまじりの。老人らしい。老練。やみ取引きに近い」(英和大辞典)
日英ともにあまりいい意味はない。色彩心理学では「曇天の色としてあいまいさをイメージさせる色」とされている。

世界的にみてもグレイのイメージはネガティブで共通。これを良い意味に解釈するならば、あいまい=中庸、右でも左でもない中道。常に片寄らぬ判断が下せるとも。

ようやくグレイが身につく年齢になれた。

247:江戸時代の「四十八茶百鼠」


フランネルに続き、グレイに関する考案。「GRAY=灰色の。鼠色の」。現在の灰色は、物を燃やした後の灰の色。一方、鼠色は動物のネズミの色を指す。

色の使用にも様々な制約があった江戸時代―――いまでは信じられない縛りだが、これに近い思いを大東亜戦争(1941~45年)中に体験した。明るい色や目立つ色は禁止、国防色という名の陸軍軍服のカーキ色に近い色に日本全国統一された―――戦争とはこんな事がまかり通るのだ。

江戸時代に話しを戻す。庶民の間で茶と鼠色が流行した。お上に対するささやかな反発。「四十八茶百鼠」という言葉が生まれるくらい色にとことんこだわった。茶の変化を48色とすると、鼠には100色ものバラエティーがある。白に近いライトグレイは「白鼠」。桜の花のような淡く赤味がかったグレイは「桜鼠」。また、「利休鼠」は千利休の名を借りた緑がかったグレイ。などなど、グレイの奥はとても深い。

(つづく)

246:映画『THE MAN IN THE GRAY FLANNEL』


邦題『灰色の服の男』という映画が学生時代に公開された。原題は『THE MAN IN THE GRAY FLANNEL』。主演はグレゴリー・ペック―――彼の名はわれわれ世代には懐かしいが、いまの人でこの名を知る人はまずいないだろう。 

ペック主演だから真面目な映画だろうと思い見なかった。あの頃(1956年)、アメリカ映画は大好きだったが、もう少しエンタテイメント系に片寄ってた。いまにしてみれば、灰色服とはどんなタイプのアメリカ人を指すのか、この目で確かめておくべきだったと後悔している。

想像だが、灰色の服とは将来を期待されたエグゼクティブの代名詞だったのでは……。

フランネルは英国ではスポーティな素材だが、米国に渡ると、ビジネス・ウエアを代表する生地に格上げされた。そして、グレイという色が保守的、しかも真面目さを表す色として定評があったのではないか。

(おわり)


出典:wikipedia

245:英国製フラヌル


フラヌルは、16世紀初め、英ウエールズ地方の産物とされる。そのため輸入品は「英ネル」と呼ばれ、ホンモノとされていた。

など、英国を代表する毛織物として、長年君臨してきた。いまの若い人たちにはフラノといわれても、特別な感情はないだろうが、われわれ世代にとって英国製フラヌルは、特別な思い入れがある。

英国人にとってのフラヌルは定番中の定番ともいうべき存在。特にスポーティな服装はフラヌルなしでは成り立たない。「フラヌルズ」と複数形になると「フラヌルの運動着」の意味になり、「テニス・フラヌル」や、「クリケット・フラヌル」など、専用に紡られた布地があるほど。

学生のころ、六大学野球のユニホームはフラノ製だったのを覚えている。いま思えばなんとぜいたくな……と思うが、ストレッチ素材開発以前の時代、最もスポーティで、激しい運動量に耐え得る素材だったに違いない。

(つづく)

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244:フラノの季節到来


今年6月、「フランネル・フラワー」を話題にした。「この秋はフラノが着たくなった。ホワイト・フランネルではない、オックスフォード・グレイだ」と結んだ。

その秋が遠かった。待ちに待ったフラノの季節がやっと来た、いや長かった今年の夏は。思い出したくもない猛暑だった。

そのフラノだが、わたしの好きな毛織物の筆頭。男の服はフラノに始まってフラノで終わる、といっていいだろう。

ところで、フラノは日本語で、英語では「FLANNEL」。発音はフランネルではなく、フラヌルに近い。わが国に紹介された時、FLANとNELに2分され、毛織物は「FLAN=フラノ」、綿織物は「NEL=ネル」と呼ぶようになる。

フラノ製のブレザーや、ネルのシャツ(いわゆる綿ネルや、ネル・シャツ)に分かれた。日本人らしいデリケートさだが、海外では通じない和製造語のひとつである。

(つづく)

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