先月、「アラ傘」を迎えた。アラ傘とはアラウンド傘寿(さんじゅ)80才前後のこと。

若いころと違い誕生日がうれしい年齢ではない、もう80かの気分。
学生のころ、80才はひどく年寄りで、ヨタヨタのじじいに見えた。
いざ自分がなってみるとじじいの自覚症状がまるでない、気分はいまだ「ヤング アット ハート」。

「エージング」があちこちでささやかれている。
「年を取ること」と辞書は味もそっけないもないが、わが国では「年齢を重ね味が出ること」などとうれしい解釈。
味のあるじじいになれれば理想的だが、こればかりは思うようにはいかない。

一方、「アンチエージング」商法も盛んだ。
年取らぬためにはあれもいい、これもしろと商売上手だが、わたしはアンチエージングにまるで興味がない。
年寄りは年寄りらしくするのが自然の摂理で、若く見せるための小細工はしたくない。
80にしかできないことがある。(つづく)