ファッション禁止令とは正しくは「戦時衣生活簡素化実施要綱」で、
「長袖の和服、ダブルの背広など非必需品六百余種の製作・生産を禁止」となった。
シングルの背広は必需品だが、ダブルは非必需品、要するになくても困らないぜいたく品と判断した。
仕立てることはもちろん、着ても罰せられた。

戦争とはそういうものだ。
前線で命懸けで戦っているのだから、銃後(じゅうご=日本本土)も協力するのは当然との考えだ。
子どもたちも「ぜいたくは敵だ」と教えられ、「欲しがりません勝つまでは」と思い込まされていた時代。

子ども心に覚えているのは、盛り場の街頭にかっぽう着にたすき掛けの主婦が立ち、
派手な和服を見つけると口頭注意し、ビラを手渡す光景。
うわさでは長い振り袖はハサミで切り落とされたとか・・・。

ダブルのブレザーを何の気がねもなく着られる平和な今日に感謝!
戦争は恐ろしい。戦後70年のいま、あらためて誓う戦争絶対反対!(おわり)