「平成の困ったファッション」その1。

「令和」の御代になって思うこと。平成はファッション業界にとって、いいニュースなどひとつもなかった、困ったことばかり。忘れないうちに書き残しておく。

まず頭に浮かぶのは「フェイク・ボタンダウン」。クールビズのおかげ?せい? シャツに注目が集まった。ノーネクタイでおとがめなし! サラリーマンは大喜びで受け入れた。喜んでいられなかったのはネクタイ業界。ただでさえ夏場には売上げが落ちるというのに、ノーネクタイにお上がお墨付きを出したのだから追い打ちをかけた。

一方、シャツ業界は鼻息荒い。いっきにシャツのシェアを広げんものと、あのテ、このテでシャツの売り込みに……。

ファッション業界の一員として、この現象を優しく見守っていた。ところがだ、どこを勘違いしたのか小細工をしたシャツがドッと出回った。平成シャツの乱の始まり。

(つづく)