1964年東京五輪のユニフォームは、何店かのテーラー(個人商店)が製作。選手1人ずつ採寸、仮縫いして仕上げた。

思えば60年代半ばといえば、紳士服はオーダーメード中心で、既製服は下に見られていた時代、JOCが日本初のオリンピックに既製服を採用するはずがない。

東京以前のオリンピックは、当然のようにユニフォームはオーダーメードだったのだ。この慣習は76年モントリオール大会まで何の疑問も持たぬまま引き継がれた。

80年、モスクワ大会がボイコットで中断、オリンピック・ユニフォームにも新風が。テーラーのハンドメイドから開放された。

反動だろうかデザイナーが手掛けることになる。森英恵(2000年シドニー)、高田賢三(04年アテネ)と続き、その後は百貨店が担うようになり、今回へと続く。

さて、今回のユニフォームだが、東京五輪の逆バージョン、新鮮さもセンスも感じられない。

(おわり)


2000年シドニーオリンピック 出典:共同通信


2004年アテネオリンピック 出典:JOC