6月1日、東の空が白むころ、何人か川に入りフライロッドを振っていた。N父は川に入り手を入れた。「冷い!ヤマメはいない」と言い、別の渓流へ移動する。

生まれて初めて「胴なが」と呼ぶ胸まであるゴム長を履き、渓流竿を手に川岸に立った。「あすこにいる」と、N父が指さすポイントは、川の中に石があり、白く泡立っていた。ポイントの1メートルほど上流にエサを落とすのだが、これが難しい。ようやく言われた所に振り込めるようになったが、何回やってもエサだけ取られる。

N父はじっと見ていてこう言った。「ハイと言ったら竿上げて」。彼はわたしの背後にピッタリ体を寄せた。

「ハイ!」。竿を夢中で上げた。「ビクビク」竿を激しく震わせ美しいヤマメが釣れていた。感動の瞬間。

ビクビクが忘れられなくて毎年6月、北海道通いがが行事となり、20年も続くことに。

(おわり)



出典:YouTube@gariatu

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