ノコギリは機能しなかったが、ナイフは有効だろう。ヤマメは釣ったらすぐに腹を開き内臓を出す、後でおいしく食べるためだ。

ヤマメの腹にナイフと突き立てる。あごの下まで裂いてワタを取り出し、水で洗う。ナイフはよく切れ気分良いのだが、その都度ナイフを引き起こし、終わったらしまわなければならない。しかも水辺の作業なのでナイフはぬれる、折り畳み部に砂が入る。メンテナンスが面倒。

地元の連中はシンプルな「腹裂き」と呼ぶナイフ ―― というより小型の包丁を使い、あざやかにさばいている。

ナイフは折り畳み式(ホールディング)と、包丁型(シース)に分かれ、目的に合わせて使い分けることを学んだ。帰京すぐ、多機能ホールディングはやめ、単機能シース・ナイフを手に入れた。数あるシース・ナイフの中に「トラウト&バード」という専用があるのを知る。使いやすく機能的な小型ナイフだ。結論、多機能より単機能。シンプル・イズ・ベスト。

(おわり)