リスクはVANなら先方に文句なし。プレーン・トゥ、ウィング・チップの2型で、色はブラックとチェリー・ブラウンの2色。びくびくものでテイメンに並べた。即完売。1963年のことだ。

自信がつき、2種(チャッカ―・ブーツ、スリッポン)を加え4パターンで全国のVAN特約店のウィンドーを飾ることになる。だが、すべてがうまくいった訳ではない。特約店の多くは元洋品店、靴を扱った経験がないので反対の声も多かった。しかもサイズを揃えるとかなりの量になる。置き場もない……と不評だった。ところが店に並べると右から左、文句いっていた店が追加注文する変わり様。

店も驚きだったが、一番驚いたのは靴業界。靴は靴店で売るモノ、買うモノが常識だったのが、メンズ・ショップで売買、しかもばかにできない量となると無視できなくなった。

「VAN REGAL」の登場は衝撃を与える出来事だった。

(おわり)


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