アンドレ・プレビン 2019年2月28日死去、89才。

プレビンはわたしが大好きなジャズピアニスト。どこが? と聞かれたら、「程がよいとこ」と答えるだろう。

ピアノにかぎったことではないのだが、ジャズミュージシャンはどこか変わったところのある人が多いし、また好まれる傾向がある。演奏は誰にもまねのできないオリジナリティーに満ちた、個性的でなければならない、といわれるのはわかる。

個性は尊重されるべきとは思うが、わたしには「ほどほど」がいい。これはジャズに限ったことではなく、衣食住のすべてにいえる。個性的といわれる服装は苦手、ごくごく普通がいい。食べ物も同じ、凝った料理も素晴らしいが、毎日だったらどうだろう……。平凡な方がありがたい。

 アンドレ・プレビンは、毎日聴いて飽きることを知らない、程の良いピアニストだ。

(つづく)