前回、わがダッフル・コート43年の歴史を記したが、ダッフルに限らず3~40年来の服や靴、
カバンなどが身の回りに残っている。根がケチだから、モノを捨てられない。
「もったいない」が体にしみ込んでいるからだ。

子どものころからもったいない精神を、明治生まれの両親から教え込まれたのが、
この年になっても抜けずにいる。もったいないはわが国特有の精神と思っていたが、
ノーベル平和賞受賞者ケニアのワンガリ・マータイさん(1940—2011)は、
「MOTTAINAI」を全世界に発信し、いまや古くて新しい言葉となった。

マータイさんは、モッタイナイを「環境3R+RESPECT」と提唱している。
3Rとは、REDUCE(ゴミ削減)、REUSE(再利用)、RECYCLE(再資源化)。
加えてリスペクト(尊敬の念)が込められていると説く。

古着がリスペクトされると聞き、にわかに元気がわく。
死ぬまで着るぞ、1972年製ダッフル・コート。