ダッフル・コートは第2次世界大戦(1939~45年)時、
英国海軍の軍服だったのはご存じの通り。

戦争が終わり、中古軍服としてダッフルも大量に放出された、安い価格で。
いつの時代も軍服を抵抗なく着るのは金のない学生ぐらいなもの、
それもイギリスではなくフランスやアメリカで流行した。

日本へは、60年代、アイビー・ワードローブのひとつとして紹介された。
この風変わりなコートを最初に手掛けたのはVANだった、だが売れなかった。
それまでのどのコートよりも個性的で、若者でも着るのに勇気が必要だった。

何10年後になるだろう、紺のダッフルは大学受験生の制服と化した。
世界に類を見ないファッショントレンドだった。

いまこそ学生時代、ダッフルにあこがれた団塊世代の出番である。
ダッフルは子供服ではない、オヤジが着てサマになるコートなのだから。(おわり)