去る4月25日はエラ・フィッツジェラルドの生誕100年だった。

エラ・フィッツジェラルドは、20世紀を代表するアメリカが誇る女性ジャズヴォーカリストの1人。ジャズファンにはおなじみのベテラン歌手だ。

彼女は79年の生涯に数多くのレコードを残し、世界各国でコンサートを行った。日本へは64年以降3~4回訪れているが、初来日のことはよく覚えている。

1953年11月に来日した。この時は彼女のコンサートではなく「J.A.T.P.」というオールスターバンドのヴォーカルとしての参加だった。

53年というと、わたしは高校3年で、ジャズに一番熱くなっていた年代。J.A.T.P.を見なくてなるものかと、早々と前売りを買った。当時の1,500円は高価(現在の貨幣価値に直せば3万円ぐらい)だった。

初日の「日劇」周辺は人また人。有名ジャズミュージシャンも数多く見られた。

(つづく)