くろすとしゆきオフィシャルブログ
378:いま感じる靴の重さ
2021年5月14日 アイビートラッドファッション米国への憧れ
以前、 コートやジャケットが重く感じた話 をした。コートが重くなるのと同じく靴の重さが気になる時が来る。それまで感じたことがなかった靴の重量が気になるのだ。
靴の重さを量ったことなどなかったが、実際の目方とは違う体で感じるモノなのだろう。
それを感じたのは何才の時だったか……。好きだった米国製ウィングチップ(内羽根式のフルブローグ)を久しぶりに履いた。それまで感じたことのない違和感がある。きついのとは違う、どこか足にしっくりなじまないいやな雰囲気が。
大して気にもせず歩き出したが、いつものようにスムーズな足さばきとは違う。一日を終え、靴を脱いだ時のことだ、手にしたウィングチップがいつもより重く感じた。
こんなことがほかの靴にも感じるようになったある日、脚にガタが来たのを悟る。悲しい事だが認めぬわけにはいかない。コート、ジャケットそして靴。老いはヒタヒタと忍び寄る。
(つづく)
377:「アイビー・アーカイブス」6年間のご愛顧に感謝
「アイビー・アーカイブス」のジャケットは、初めから本格派アイビー・リーグ・モデルと決めていた。これ以外のモデルに手を出すつもりは一切なし。シングル3つボタン、上2つ掛け、フックベントのおなじみのモデル。あとは、ふさわしい生地をいかに探すかだった。昔、手掛けた懐かしい柄、やりたかったが出来なかった素材や色など……。
アイビーは一見シンプルだが、作ってみると意外に難しい。幸いなのは、VANで一緒だった優秀なパタンナーに出会えたこと。アイビーの細部まで熟知しいてる彼がいなかったら、このプロジェクトは成功しなかった。
わたしは能書き言うだけで、服を縫うことはできない。間にいるパタンナーが建築でいえば設計図を引いてくれるから製品になる。など、など。いくつかのラッキーに恵まれて「アイビー・アーカイブ」は成り立っていた。そして6年間、支えてくださったアイビー・ファンの皆様のご愛顧に感謝!なお、ブログは続く。
(おわり)
376:「アイビー・アーカイブス」の第1号は?
「アイビー・アーカイブス」はいつ、どうして始まったか。
2013年12月、「アイビー・スタイル・パーティー」が六本木のレストランで催された。主催「鎌倉シャツ」。旧知の社長からの依頼で来客のお土産として「KROS TOSHIYUKI」のBDシャツを特別に製作。250人の手に渡った。
このシャツが好評。製品化することに・シャツの店頭POPとして、インド産マドラスを使ったパネルを用意した。マドラスは私が厳選した大人っぽいチェック。パネルの残りの生地があったので、ジャケットに仕立ててもらう、ほんの数着。
いい味のアイビー・ジャケットに仕上がった。それが「アイビー・アーカイブス」の第1号。いま思えば量産ではないので、ディテールにまで凝りまくった。その時はまさか何年も続くとは思っていなかったので、わたしの「わがまま」を通してもらったのだった。
(つづく)
■ 新作春夏ジャケット完売御礼 ■
くろすとしゆき『アイビー・アーカイブス』2021年春夏の新作 リンネル・ジャケット(色:カーキ)は、オンラインショップ限定・数量限定で販売しておりましたが、おかげさまで完売いたしました。
お買い上げいただいた皆さま、ありがとうございました!
375:「アイビー・アーカイブス」残念なお知らせ…
残念なお知らせをしなくてはなりません。6年間続いた「アイビー・アーカイブス」はこのS~S(SPRING~SUMMER)をを持って 幕を下ろすことになりました。
理由はころな。コロナ禍で縫製工場が閉鎖せざるを得なくなりました。わたしには止めるだけの力がありません。残念です。
ファッション多様化のアパレル業界で、1950年代の「オーセンティック・アイビー・リーグ・モデル」のジャケットを縫製できる工場は、国内はおろか、世界中探してもありません。しかも、わたしのうるさい注文にいやな顔もせず作り続けてくれました。おかげで、毎シーズン、アイビーのニオイただようジャケットをお届けすることができました。
「KROS TOSHIYUKI」のジャケットは一見シンプルに見えるが、実は数多くの特別なアイデアや技術の裏付けで成り立っていたのです。
「シンプル・イズ・ベスト」ほど実は厄介なのです。
(つづく)
■ 新作春夏ジャケット完売御礼 ■
くろすとしゆき『アイビー・アーカイブス』2021年春夏の新作 リンネル・ジャケット(色:カーキ)は、オンラインショップ限定・数量限定で販売しておりましたが、おかげさまで4/26に完売いたしました。お買い上げいただいた皆さま、ありがとうございました!
374:久しぶりの「麻」ジャケット
2021年4月16日 アイビーお知らせクールビズファッション少年時代街
話は飛んで「アイビー・アーカイブス」20201年S~S(春~夏)。久しぶりに「麻」をお目にかけよう。良きLINENが見付かった、それも初めてのベルギー産。これまで諸外国の繊維製品を見てきたが、ベルギーは初めて。色、仕上げともに仲々よい味を出している。
いつものようにシングル3つボタンのアイビー・リーグ・モデルに仕立てる。クラシックでモダン、いい雰囲気のジャケットに。
わたしの初めての麻スーツと同じ麻ひものような薄茶色が、大正時代のセピア色のポートレートのようでよろしい。このジャケットをイカスには、派手な色は避け、古ぼけたカラーコーディネーションがおすすめ。
白は絶対マッチすると思い。ボタンはあえて白貝を選んだが大成功!
白シャツ、白パンツ、白靴など、どこかに白を利かせると、ベルギー・リネンも喜ぶことだろう。
2021年夏は、リンネル・ジャケットでコロナに打ち勝つ。
(おわり)
■ 新作春夏ジャケット完売御礼 ■
くろすとしゆき『アイビー・アーカイブス』2021年春夏の新作 リンネル・ジャケット(色:カーキ)は、オンラインショップ限定・数量限定で販売しておりましたが、おかげさまで4/26に完売いたしました。お買い上げいただいた皆さま、ありがとうございました!