今年の夏は帽子が目につく。

それもキャップや布製ではなく、パナマやラフィア(ラフィアやし)製の本格的サマーハット。
見るからに涼しげで、あれはいい。

いいのだが、かぶっているのは男性ではなく女性。昨年あたりから目立ちはじめ、今年がピーク。
帽子の下のヘアスタイルはさまざま、長い髪あり、短いのありだ。
帽子に合わせている服もいろいろで、これといったルールはないらしい。

彼女らが愛するサマーハットの特徴は、ナローブリム(細いつば)、
ピンチフロント(前方につけたくぼみ)など、中折れ帽型。
このカタチ、実は1960年代に男性の間ではやったもの。
それが半世紀後のいま、なぜ流行しているのか……わたしには分からない。
女性の流行とは、そんなモノ。ある時、理由もなくはやり出す。

比べて世の男どもは帽子をかぶらなくなった。
戦前のジェントルマンは必ずといっていいほどパナマや、カンカン帽をかぶったものだ。
(つづく)

summerhat